2017年09月28日

姉エドマの憂いを帯びたやや寂しげで物思い耽るような表情

 本を読む画家の母親。1870年のサロン(官展)のために制作された本作に描かれるのは、椅子に腰掛け読書する画家の母親(モリゾ夫人)と、それを空虚な眼差しで見つめるベルト・モリゾの姉エドマ(ポンティヨン夫人)の姿で、画家の母親が本を読む姿から別名『読書』とも呼称されている。

 姉エドマの憂いを帯びたやや寂しげで物思い耽るような表情。このモリゾ独特の女性の控えめでありながら不安感を募らせる繊細な表現は、師エドゥアール・マネの描く女性像とは決定的に異なっており、この頃のモリゾの作品へ最も顕著に示される独自性のひとつである。

 左手薬指にはめられる指輪。本作はモリゾがサロンへ出品前にマネへ作品を見せた時、マネに多数の箇所を加筆されてしまい、一時的ではあったがモリゾは「この絵がサロンへ入選するくらいならば、川へ身を投げたマシ」と本作のサロンへの出品の取り止めの意向を示した。



Posted by スズコちゃん at 11:00│Comments(0)
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